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K君に想いを寄せて

みなさんこんにちはCLUB CROWDです。

8月に入ってようやく夏真っ盛りの暑さがやってきましたね。

日中は暑さで静かにしているセミ達も早朝は元気に鳴いてうるさいくらいです。

 

さて、こちらブログでは私達の活動の最新情報?と

今までの出来事の紹介をさせて頂きたいと思います。

 

まずは私達の活動を紹介させて頂く上で絶対に外せないK君の話をさせて下さい。

K君は生まれつき脳性マヒで両手両足を思う様に動かす事ができず、小さな頃から車椅子の生活をされていたそうです。

そんな彼が養護学校(現在の支援学校)の高等部を卒業する頃

強い人間に憧れが強かったK君は障害者柔道への取り組みが盛んだった

とある障害者施設へ親元を離れて入所する決意をしました。

 

施設に入所してからのK君は明るい性格で利用者の仲間達や職員から可愛がられ楽しい生活を送っていました。

障害者柔道では立つ事の出来ない彼は寝転がっての寝技スタイルでのスタートでしたが

いつしか這い回り膝立ちになって組み付く事ができるようになっていました。

そうしてメキメキ柔道が上達した彼は2度ヨーロッパ修行に施設の代表として派遣されます。

外国へ派遣されるのに白帯を着けているのは恥ずかしいと言って、施設の職員の黒帯を無理矢理借りていったのは内緒です(笑)

 

楽しく施設生活を送っていたK君でしたが、

更なる挑戦と言って、施設を出てワンルームマンションで一人暮らしを始めました。

私は当時担当ヘルパーとして彼の家へと派遣されて、お風呂や食事の段取り、

そして車椅子を押しての外出など身の回りの支援をさせて頂いていました。

 

そんな新たな生活を始めた彼は、障害者柔道に飽き足らなくなったのか

更に更になんと総合格闘技の道場の門をたたきます。

当時道場の責任者をされていたのが、現在琉球ドラゴンプロレスを主宰し、

自らも現役レスラーとしてリングに上がっておられるグルクンマスクさんでした。

格闘技道場へ四肢の障害を持つ方を受け入れると言うのは

色々な意味で並大抵の覚悟では無かったと思います。

グルクンマスクさんはそれでも快く受け入れて下さり、体の動きが違う人との練習は自分たちにも良い鍛錬になると言って下さり

障害者支援のプロの私達が頭が下がるくらい真剣に彼と向き合って下さいました。

 

そんな先方の皆さんの想いを知ってか知らずか、

四肢にマヒがあって動きにくいとはいえ彼が元々持っている力(パワー)のポテンシャルはもの凄く

寝技の練習で一度懸かったらお構いなしにグイグイ締め付け

相手の人が悶絶しているのをゲラゲラ笑いながら更に容赦なく締め付ける地獄絵図・・・

確かに相手の方も命がけの練習をされていると有難くもあり妙に納得したものでした。

 

そして月日は流れ、別れが突然にやってきました。

私が入所施設での支援を担当していた2年近く前の事

50を目前にしていた彼はすでに格闘技を離れて

どちらかと言えば静かな生活を送っていました。

動きづらそうで、体のあちこちの痛みを訴える事が多くなり

一人暮らしももう限界かと、こちらの入所施設へ帰ってきて貰う準備を相談してたちょうどその頃

朝いつものようにヘルパーが彼の部屋を訪れたところ

K君は車椅子に座ったまま動かなくなっていたそうです。

K氏車椅子現物

その時彼が乗っていたのがこの車椅子なのですが

当時既に車椅子安全整備士の資格を取り、

施設に入所している利用者の皆さんの

車椅子安全整備に張り切っていた私の目にはあまりにも衝撃的でした。

 

一番に目に入ったのはアームサポート(肘掛け)が無くなってしまっています。

これでは脳性マヒで体幹が安定しない彼には相当痛かったでしょう。

他にもあちこちのビスが外れてしまっていて、到底快適どころか安全に乗れる状態ではありません。

地域で暮らす彼は屋外で車椅子に乗る事が多いので風雨にもさらされていたのでしょう。

激しく傷んだK君の車椅子を目の前にして、涙が止まりませんでした。

と同時に地域で暮らしている障害を持つ人びとの現実も身に染みて判った瞬間でした。

 

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